対話から生まれる保育の創造Part3に参加してきました。

ときがわカンパニー「ときがわ方式」拡販事業部の林です。

子どもと保育実践研究会 夏季全国大会2017年度

対話から生まれる保育の創造Part3に参加してきました。

会場は横浜市開港記念会館。

伝統を感じさせる素敵な建物です。

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まずは、

~実践提案&シンポジウム「”もっとおもしろく”で広がる遊びの世界」とは?~

からスタートです。

実践提案は、奈良市立都跡こども園の鎌田大雅先生。

・いかだプロジェクト。園庭の砂場に水たまりを作り、たらいを浮かべる園児たち。「乗ってもいい?」と聞かれたので、面白そうだとOKしたのがきっかけ。土日を挟んだら、水は干上がっていたので、もっと大きな池を作ろうとなった。

〇画像を見せてもらいましたが、子を持つ親の立場として、「靴が汚れる!」と思ってしまいました(苦笑)

・ペットボトル5本をさりげなく提示。子供たちがガムテープでつなげていかだ?を作り始めた。「もっとペットボトルを!」との訴えも、在庫?がなく、たくさんあった牛乳パックを使って大きないかだづくり開始!完成して浮かべてみたけど、牛乳パックに浸水して徐々に水没・・・

・いかだ1号の失敗の原因をみんなで話し合う。

・ペットボトルの上に牛乳パックをかぶせた「いかだ2号」。

・ペットボトルのみの「いかだ3号」。ペットボトルなのに、ふたにもビニールテープを巻いて補強。

〇子供たちの心情をうまく切り取った写真。

・子どもの一人がネットから「プールに浮かべるいかだ」の情報を入手!

・作るごとに作業が上手になってきた子供たち。

・紆余曲折の後、「いかだ5号」の完成!プールでの航行成功!

・たくさん遊んだあと解体へ。用務員さんに話を聞きながら、子どもたち全員で。テープはがしが大変。

〇壊すことのほうが子どもって好きなのかも(笑)

・1学期間をかけたいかだプロジェクトが終了。

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続いてシンポジウムへ。

シンポジストは、鎌田先生の他、

佐伯 胖先生(田園調布学園大学 大学院)
小林紀子先生(青山学院大学)

コーディネーターとして、髙嶋景子先生(田園調布学園大学 大学院)です。

・子どもの本気は面白い。伝播していく。面白いの見える化。即興性をどう捉えれば良いのか。遊びの終わり方は?決めるのは子供たち。

・鎌田先生:園庭の固定遊具は、悪くはないけど、徐々に外していった。子供たちに必要なものは何なのかを考えながら。

・鎌田先生:いかだプロジェクト。子供たちと一緒に自分も楽しむ。プロジェクトを続けているうちに進化・発展していく。そのプロセスを見るのが楽しい。

・佐伯先生:プロジェクトの継続性は?見たところ10人に満たない園児のPJでは?ほかの園児は見ているだけのように見受けられる。ほかの子たちへの声かけはどうだったのか?

〇佐伯先生の鋭い質問。この方は、ひょうひょうとした風貌でズバッと切り込んでくるのが面白いです。

・鎌田先生:その日の活動が終わる都度、園児みんなで話し合うようにしている。遊びの後の話し合いが大切。

・学ぶ者の論理と学んだ(学び終わった?)者の論理の違い。できるようになると忘れてしまう。

〇これは、学ぶ者としては、肝に銘じておかないといけませんね。初心忘るべからず。

・鎌田先生:「子どものやりたい事」を大人に寄せようとしていないか。やりたいことには理由がある。大人とのズレ・子ども同士のズレ。子供の思いを大事にしたい。

・佐伯先生:鎌田さんは「面白がり屋」だと思う。だから、保護者ともコミュニティを作り、共有できる。そして「共振」が起こる。子供たちが本当に面白いと思うからこそ、家庭で伝える。

・佐伯先生:「面白がり屋」だということを、保護者も知っている。一緒になって子どもと遊んでくれていることを知っていくれている。言葉は悪いが、親を味方につけている。

・鎌田先生:保護者の中にも、肯定・否定がある。「服や靴が泥んこになって嫌だ」とか。園長が認めてくれているから、まあいいか、と(苦笑)。

・単発の遊びで終わらず、深めるための時間・空間が必要。

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午後の分科会は、

「0・1・2歳児の保育から考える生活と発達の連続性」

に参加。

実践提案は、お茶の水女子大学こども園の宮里園長と4名の先生たち。

コーディネーターは岩田恵子先生(玉川大学)、相馬靖明先生(保育のデザイン研究所)。

 

・宮里先生:こども園は、オープンスペース。良し悪しがあるけど、可能性がある。謎に向き合い、希望で語る場。

・七里先生:こども園一年目。自分の周りに、園児が一人しか集まらず、寂しかった。今思えば、「一人、いてくれたんだ」と。

・七里先生:顔を見つめた時やおむつ替えで泣かれていたが、だんだんそういうことがなくなって、「受け入れられた」と感じた。

〇受け入れられた!やっと私に懐いたか、ではなく。

・石塚先生:教員間の連携が大事。(オープンスペースによる)閉じていない仕切り。閉じることもできるけど、あえて閉じない。

〇この実践提案の最後のコーディネーターの相馬先生の一言。「(ご自分が見ているこども園は)いつ、開くのか、といつも思っています」。オープンスペースの良し悪し。

〇職員さんの発言に、ちょいちょい合いの手を入れる宮里園長先生。それが魅力。「合いの手は、やればよいというものじゃないのよねぇ」という言葉にも含蓄があると思います。

・岩田先生:お茶の水女子大学こども園は開園2年目の「移行期」。初心者の楽しさがある。全てが初めての体験。

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その後、参加者同士のディスカッション。参加型形式を取り入れると、盛り上がります。

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ここで、私用により、退出させていただきました。

今回も、有意義な時間を過ごすことができました。

また、ときがわカンパニーの遊具開発のヒントもいくつか思い浮かんできました。

子どもたちが喜んでくれるようなものを作れれば良いな(笑)

皆さま、どうもありがとうございました!

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追記:ときがわカンパニー代表の関根です。私は、分科会Bに参加したので、その様子を共有します。

●分科会B 「保育を開くことによって生まれる変化」

実践提案:鉄道弘済会 与野本町駅前保育所 おひさま保育園
コーディネーター:木村先生(向山こども園)三谷先生(関東学院大学)

・206年9月に公開保育(他の園の先生が見に来る)を実施。
・法人から、公開保育をするよう指令がおりてきた。

・自ら遊べる環境作り:制作コーナー、おままごとコーナー、絵本コーナー
・壁に据え付けだった棚を、真ん中に置き、生活空間と遊び空間を分けた。

・「かして」「いいよ」をやめて、「かして」「だめよ」が浸透してきた。
 (それまでは、上の子が我慢していた)

・公開保育によって、若い職員が積極的に意見を言えるようになってきた。

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●グループディスカッション

○私のグループには、鉄道弘済会の方々、ある園の副園長さん、保育士さん達が
 参加していたので、素人の立場で色々質問させてもらいました。

・公開保育の目的は、質の向上。いずれは地域全体の保育力をあげていきたい。
・公開保育コーディネーターと、保育士さんで話し合う。まず、自園の良さを受け止める。
 そのうえで、改善すべき点を考える。それがないと、先生達が疲弊する。
・園内の話し合いは、時間も取りづらく、難しい面もある。
・若い先生の方が、最新の知識を持っていることもある。ベテランの先生がそこから学ぶ。

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●クラス共有

・ベテランの先生が、若手の話を聞くのは難しい。
・ベテランから「どんな保育をしたい!」と聞かれると、若手は「圧」を感じる。
・若手は、経験が浅く、自信がないので、発言しにくい。
・若手の意見を聞こうとしてくれる「主任」がいると、ベテランも変わってくる。
・ベテランは「素敵な経験」を語るが、その背後には試行錯誤があるはず。
 若手にすると、素敵な経験ばかり語られると、自分には無理と感じてしまう。

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○「先生と子供達の間」だけでなく「先生同士」の関わりも、保育の世界だと重要そうですね。(あと、今回の分科会では語られませんでしたが、「先生と保護者」というのもあるでしょうし・・・) 奥が深そうです。

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