ときがわカンパニー「ときがわ方式」拡販事業部の林です。
ときがわ町の山主のお二人、畑裕能さん、畑誠さんに、山や木に対する想いを伺いました。
子どもたちが、木に包まれる環境を創るためにも、山を大事に守ってくれている【山主さん】達の存在が欠かせないと思い、今回のインタビューのお時間をいただきました。
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-お二人の山との関わりを教えていただけますか。
畑誠さん:昔はこの辺りの山は広葉樹の山でした。それを私の親の世代が伐採してスギ・ヒノキを植えたんです。先代の頃は、山主が皆本気で山の手入れを行っていました。植えた頃の記憶はないんですが、中学生の頃は草刈りをやらされていたのを覚えています。(笑)しっかりと手入れされた山の木は売値も良く、当時はその収入で生活ができました。
誠さん:親の世代は、良く手入れしていましたね。それに比べて私たちはどちらかと言うと、それを引き継いで管理してきたわけです。
畑裕能さん:木を育てるには努力が必要です。使えるようになるまで50年間育てる。勝負は50年からなんです。。外材に押されているといっても、これからの時代そんなに野放図に輸入できなくなってくると思うんです。しかし、時代の流れで木があまり売れなくて、それを待ちきれなくなる人もいます。スギ・ヒノキを全部伐採して、芝桜やあじさいを植えて、観光地にして収益を上げればいいと思う人もいるかもしれません。でも、この地域の先代の人たちは歯を食いしばって、そういう時代を乗り越えてきました。
裕能さん:昔は皆が山に関心を持っていましたが、今は過渡期だと思います。個人経営では林業が成り立ちにくい時代なので、ときがわ町の林業を組織として作り上げることが大事だと思います。
裕能さん:法隆寺は、千年経ってもびくともしませんよね。国産材を使って建物を作ったほうが良い。さらにはその土地の材を使って家を建てるほうが良いのは分かりきってるんです。
-山主の立場から、長い勝負とは別に短いスパンで見たとき、次世代へ向けてのメッセージはありますか。
裕能さん:次世代の人たちにバトンタッチをうまくしなければいけないと思っています。今の状況は、若者が町から出ていってしまい、町に住み続けてくれません。町から出た人が戻ってくることも残念ながら少ないんです。ときがわ町の魅力、誇りともいうべき山の良さを若者に伝えるためには何が必要か。親世代が考えることが大事だと思います。
-お二人は学校の教職員だったということですが、学校教育の現場の中で、町や山の魅力を伝える教育というものはやっているんでしょうか。
誠さん:やっているとは思います。例えば、森林の維持管理をしているからこそ、水や空気のきれいさが保たれているんだよ、ということは教育で扱っていると思います。
裕能さん:小さいときから故郷の良さを味あわせてあげたいですね。地域の自然の良さを若者に知ってもらうことが、教育だと思います。
-山の管理のバトンタッチ先はいらっしゃるのですか。
誠さん:私の倅が、「親父が引退したら俺が山をやるよ」と言ってくれています(笑)若い人の中には、「俺は山なんかいらないよ」なんて言っている人もいるそうです。山の良さに子どもたちが自ら気づくこともあるとは思うんですが、やはり多少はこちらから伝えなければいけないと思います。
裕能さん:うちの倅は、今、森林組合に勤務しています。一般の企業から転職したのですが、最初の頃よりも木への愛情が生まれてきていると思いますね。人間は環境の良いところに自分で移動できるけど、木はそうはいかない。その場所で風雪に耐えている。そういう意味では木はたくましいですよね。そんな命の凄さを見て、木に対する愛着を感じてほしいと思います。
-バトンタッチの種はお二人とも蒔かれているんですね。
誠さん:まだ倅が山に入っている時間は短いですが、自分で手入れをしないと木の良さはわからないかな。これからですね。
裕能さん:ときがわ町は昔から「木のむらときがわ」「建具の里」と呼ばれてきました。それは、林業にとって条件が良いところ。だからこそ、その灯をいかに将来に残していくかを考える気持ちが大事ですね。
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ときがわ町の山への思いをお聞きし、こういう話こそ、若い人たちに知らせていきたいなと思いました。
裕能さん、誠さん、どうもありがとうございました!
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