「比企学」勉強会「比企郡におけるフセギとイッケに関する考察」を開催しました。

ときがわカンパニー代表の関根です。

2018年10月14日(日)10時~11時30分@iofficeで「比企学」勉強会「比企郡におけるフセギとイッケに関する考察」を開催しました。

講師は、坂戸市在住の風間有加さん。参加者は、5名(ときがわ町3名、鳩山町1名、東京都1名)+2名(風間さん親子)でした。

第1部は「フセギ」に関して。

・フセギとは、民俗学的に言うと「道切り行事」
・年に1回作りかえる。

岩手県のニンギョウ。元気が出そうです。

・埼玉県のフセギには、4種類の型が見られる。
(1)竹&お札型:一番多いタイプ
(2)ワラジ型:秩父に多い。片足のみ、真ん中に穴、ワザとバサバサに作る。あえて不完全に。こんなでかい草鞋をはく奴がいるんだぞとアピールしているという説もある。
(3)男女性器型:比企郡や入間郡に多い。女性器がワラジで表現されている物もある。
(4)人形型・ヘビ型:千葉県に近いエリアに見られる。

・疫病がはやる夏の前、2月~7月に作られることが多い。
・見つかる場所(妖怪が出る場所と重なる)
(1)石塔の近く
(2)交差点
(3)Y字路
(4)橋の入口、出口

・米俵のふた(さんだわら)は、呪術的に用いられることが多い。
・サイコロの目も、みはる目として活用されている。
・フセギをやめて、悪いことが起きたので、復活したという地域もある。

・フセギは、可動性、可変性に富んでいる。アートとしての魅力もある。ただ、技術継承に課題。全国の道切り行事を見たい!

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第2部は「イッケ」に関して。

・イッケとは、同族、本家分家集団。
・助け合い、保険的存在。
・同じ神を祀り、年に数回祭祀を行い、同じ墓地を使う。

・墓地によりタテのつながり、祭祀(イベント)によりヨコのつながりを作っている。そのために現代まで続いているのでは。
・現代のコミュニティに当てはめると
(1)キャラクター(神)
(2)場所(墓地、お堂)
(3)イベント(定期的に集う祭祀)
(4)マネージャー(本家当主)
の存在があれば、ゆるいつながりを維持できるのでは。

・現代のコミュニティにおいては、タテ(歴史的長さ)は不要で、短期間での解消や関係者の出入りも自由な「ゆるい繋がり」でも良いのでは。

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知的好奇心が刺激され、とても面白かったです!風間さん、ありがとうございました。

参加者の声

風間さん達の声

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参加者の皆さん、ありがとうございました。

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