2018.0303 比企起業塾 報告会&交流会詳細レポート

written by 福島だいすけ(埼玉県比企郡ときがわ町在住 半農ライター)

今回、「地元の仕事は地元の方へ依頼する」という”ときがわカンパニー合同会社 関根さん”のご好意で、埼玉県主催「比企起業塾」の報告会レポートを担当することとなりました 福島だいすけ です、どうぞよろしくお願いします。

“熱くてぶ厚い”レポートになってしまいましたので、
お急ぎの方は以下にあるダイジェストと写真でサっと雰囲気をご覧ください。


<3行でわかる 比企起業塾 報告会 見所ダイジェスト>
1.塾生の成果内容が具体的!・・・ブランディング用ロゴ作成やチラシ製作受注など
2.報告会の構成が深く考え込まれてる!・・・京大式 情報カードを用いて、真剣に聴講
3.報告会、交流会のホスピタリティが高い!・・・聴講前のストレッチや託児サービスなど


<はじめに〜当たり前な魅力は気づきにくい〜
「暗黙知」という言葉があります。経験や勘に基づく知識のことで、言葉にされていないもののこと。
他者から見て魅力的なものも、当人にとっては「当たり前」すぎて言語化できず、地元の良いところ、サービスの良いところなど、中にどっぷり浸かってると気づきにくいものです。

その点、私は今回のレポート役に適任かと思います。
と言いますのも私は
・比企起業塾のことは第5回の講義に少しお邪魔させていただいた程度
・比企歴0.5年&よそ者歴42年
で、とても”丁度いいよそ者”だからです。
存分に比企起業塾や報告会の見所/魅力などをお伝えさせていただきます。


<報告会データ>
日時:平成30年3月3日土曜日 第1部「活動報告会」15時〜17時、第2部「交流会」17時15分〜19時15分
場所:国立女性教育会館(ヌエック)埼玉県比企郡嵐山町菅谷728番地 第1部  研修棟大会議室、第2部 本館レストランらん
来場者数:第1部「活動報告会」64名、第2部「交流会」42名
主催:埼玉県川越比企地域振興センター東松山事務所 運営:ときがわカンパニー合同会社


<報告会内容>
当日のスケジュールは、第1部「活動報告会」、第2部「交流会」の2部構成でした。

第1部:活動報告会

0)会場内
▼塾生の成果物を陳列、皆さん見入ってます

▼アロマ香る「カオルしおり」など

▼ブランドロゴ入りのネギ

▼素敵な製作実績(パンフレットなど)

そして、多くの観衆が見守る中、報告会スタート


1)全体報告 ときがわカンパニー合同会社 代表 関根雅泰さん
塾の特徴・考え方・活動内容・塾生スタッフ紹介などをお話されました。

以下引用
・本塾は研修中心でなく現場での経験と指導に重点を置く。既存の起業セミナーは Off-JT(集合研修)がメイン、それでは「あとは自分で考えてやってね」となり無責任。
・起業=複数顧客の創造。顧客開拓を支援し 共に歩んでいく。顧客が1社だけだと下請けになり首根っこ捕まえられる、顧客は複数必要。
・比企郡の最大の強みは東京に近いこと。キーマンや決済者は東京にいる
・年商300〜1,000万円のミニ起業家を育成する。売上多い方が価値あるように言われるがそうではない。売り上げより、経常利益率10%超えにこだわる。

多くの面談・指導を行い、キーマンを紹介されたと聞きました。それが成果・アウトプットを塾生が多く生み出せることに繋がり、「現場での経験」を多く積めて起業のイメージがどんどんクリアになり自信が深まっていったと思います。(ex.尾上さんの空き家座談会実施、工藤さんのクリスマスワークショップ開催、飯島さんのブランドロゴ作成、久保田さんの自治体関連のチラシ作成受注など)

このような深く細やかな指導を起業塾でしてもらえることは塾生にとって感動的で、他に代え難い経験だと思います。事業をしていたり何かの主催をした経験があれば「集客・顧客獲得に関する具体的な協力」が一番心に響くからです。これは少人数制(スタート時は6名の生徒)だからできることであり、さらには、地元企業が実施し、地元市町村のバックアップがあったからこそだと強く感じました。


2)4名の塾生によるプレゼン
1人目 尾上 美保子さん(既に起業済み、さらに新規事業を起業)
「空き家問題解消で、地域の課題解決に貢献」

【目標】     オールインワンで解決できる空き家活用サービスを開始する。
【受講前】戦略・戦術なし。集客できず。
【受講後】目標に繋がるアクションを計画し、実行。
                         1)大量行動(4ヶ月で9件の関連セミナー参加)で知見とネットワーク作り。
                         2)宅建業・賃貸管理業申請。
                         3)空き家座談会開催。
【今後】     移住希望者への調査、地域の空き家対策団体との連携→オールインワンサービス提供開始。

〜印象的だったフレーズ〜
「点が線になった。」
「比企起業塾は大切な、自分が冷静になれる場所。」

塾講師のアドバイスによる座談会の開催、地元の空き家ボランティアとの連携などされ、しっかり「縁を活かして周りを巻き込んでることがとても魅力的に感じました。持ち前の大量行動と塾で学んだ知識・戦略性を絡めて、今後も同期生と情報交換し前へ進んでいただきたいです。

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2人目 工藤 瞳さん(勤めを辞めずに起業)
「メディカルアロマでQOL(生活の質)向上を実現」

【目標】 副業で6万円を達成する。
【受講前】集客ができなかった。
【受講後】集客につながるアクションができ、売上向上。
     1)新商品開発。
     ・カオルしおり。
     ・アロマストーン、アロマペンダント。
     ・インフルエンザ対策セット。
     2)講師で実績、信用、関係作り。
     ・生活の木でのメディカルアロマ講師に 2018年5月より。
     ・ときがわのきらめき塾で、疾患に対してのアロマ講座開講。
     ・クリスマスにアロマクラフトワークショップ開催。
【今後】講師業やマルシェ出店、情報発信し「メディカル X アロマテラピー」でブランディングし6万円の売上達成へ。

〜印象的だったフレーズ〜
「絶対起業するぞ。」
「生活の木へ講師募集締め切り後だったが諦めずに応募し採用される。」
「(by関根さん)遠かったアロマが身近になった。」

アウトプットの手数多く、PDCAを早く回されているのが素晴らしいと感じました。町のアロマ屋さんとして個人的にもお邪魔したいです。看護師である特性やご自身のリソースを活かした起業は一貫性ありブレない安心感がありますね。今後も着実に進んでいただき6万円の達成へ向けて頑張って欲しいです。

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3人目 飯島 鉱一さん(勤めを辞めずに起業)
「個性的な面白い農業で、地域の専業農家を増やす」

【目標】 1年後に農業で起業する。
【受講前】顧客を想像できてない状態で事業計画していた。
【受講後】顧客の絞り込みとブランディング。
     1)売り場を直売所などの「お客様の顔が見える場所」に絞り込み。
     2)作物をネギに絞り込み。
     3)鳩山のアーティストと「ブランドロゴ」を開発。
【今後】 新規農家育成、農イベント開催、専業できる仕組みを作り、1年後に農業で起業へ。
〜印象的だったフレーズ〜
「人を作り、コトを作る。」
「ランチェスター戦略は内容が実践的、実行しなければ結果は生まれない。」
「パートナーを数多く作る、コラボも必要。パートナーにいかに喜んでもらえるかがビジョン達成につながる。」

アイデアマンである飯島さんが、戦略性という武器を得て起業のイメージがクリアになって来た事を実感しました。そして、鳩山のアーティストである菅沼さんとのコラボ第2弾、さらには温泉道場さんへの公開コラボ提案はとても素晴らしく楽しみです。今回の起業塾でできたパートナーとのご縁や講師のアドバイスをもとに、走りながら考えて個性的な面白い農業を実現していただきたいです。

<飯島さんへの応援 お願いします!>
facebookページは↓です。いいね、お願いします。
https://www.facebook.com/ChiharuFarm/

 

4人目 久保田 奈穂さん(独立起業)
「比企を、こどもが自慢したくなる町にする!」

【目標】 平成30年4月起業。
【受講前】収入や家庭への影響が不安
【受講後】受注実績と起業知識が身につき、不安が解消
     1)埼玉県川越比企地域振興センター東松山事務所事業の印刷物を5点デザイン BtoGを体感。
     2)滑川商工会訪問の縁で、住宅メーカーチラシ受注。
     3)ランチェスターなど起業後生き残る知識を学ぶ
     4)LOCALINA(比企地域の情報が集まるローカルメディア)を平成30年春立ち上げへ
【今後】 グラフィックデザイン・商品企画・WEB媒体による情報発信の力で比企のブランド向上へ
〜印象的だったフレーズ〜
「受注を通じて、比企にデザイン需要あることを確信、独立を早めることにした。」
「比企起業塾で知識と仲間に出会えた。」
「仕事の地産地消。」

デザインの質がとても高く、ビジョンなどもしっかり策定され、プレゼンもハキハキと要点をついてらして「こんな方が比企を盛り上げてくださったらとても頼もしいな」と思いました。LOCALINAではチームで取り組まれたりと自在感も感じます。メンター企業や自治体が久保田さんのような”さらに輝ける人材”の後押しを今後もしていける仕組みが必要ですね。後輩起業家への良きアドバイザーにもなっていただけそうでこれからのご活躍が楽しみです。皆様、久保田さんへのご祝儀発注よろしくお願いします(笑)。

<久保田さんへの応援 お願いします!>
・グラフィックデザインなどの発注
・比企の観光フリーペーパーのスポンサード
http://nomoko.jp

・LOCALINAへの投稿(2018年春より)
https://localina.com


3)聴講の工夫について
1つ目・・・京大式 情報カード


よくある報告会ですと、発表者と聴講者の関わりは「報告を聞いて帰りにアンケートを書く」程度だと思います。
しかし、今回の報告会は「京大式 情報カード」を活用!
なんか凄そうですね。京大教授の梅棹忠夫さんが提唱したもので、

・気付いたことを即メモ
・1枚に1つの情報を記録
・カード同士の関係から再発見をする

とのこと。聴講者は1枚につき塾生1名の「良かった点、期待すること」などをメッセージ方式で書き込み、後々塾生にそれが渡されます。


聴講者はメモを書くことも想定して真剣に聞く、塾生もメモを後々いただくことを前提にプレゼンするという、相互の意識を高める素晴らしい聴講方式だと思います。塾生はいただいたカードを見比べていろいろな気づきも得る事ができ、応援的なメッセージに心熱く打たれます。これから頑張れるエールの受け渡しにもなりますね。

結果、物凄い量のメッセージが集まりました。塾生さんにとって宝物になりそうですね。

2つ目・・・託児サービス


お子さんがいながらの聴講となると集中して聞けず、周りの目も気になってしまいがちです。今回は託児ルームでお子さんの世話も見てもらえる託児サービスも行いました。託児ルームがしっかりしているのはさすが、国立女性教育会館ですね。託児サービスを使わない方も「主催がそういう心配りもできるんだ」と感じて安心できます。

3つ目・・・皆がリラックスできる工夫
総合司会も務めた塾のサブ講師で、美容整体や企業向けの安全整体も行っている「栗原直道」さんによる「聴講ストレッチ」が会の始めに行われました。

凄い画ですね!

・手を組んで前へ
・首曲げる
・首後ろにして顎をアイーン
・耳を掴んで回す
といったメニュー。耳を掴んで回すと30種類の顔の筋肉を使い、血色よくなって笑顔が増えるそうです。

控え室の塾生も行い、リラックスできたそうです。


第2部:交流会
交流会では食事やお酒も振る舞われました。
そしてここでもこだわりと心配りが多数!

この日のメニューは

・嵐山産のブロッコリー、小川町のしいたけも使ったバーニャカウダ
・滑川産 のらぼう菜を使ったおひたし
・東秩父村産ふきのとうを使った天ぷら
・嵐山産卵を使ったサンドウィッチ
・イチゴ食べ比べ(嵐山産、川島町産、吉見町産)
・ときがわ産ゆずジュース

などなど随所に比企産の食材を活用。

塾生である飯島さんのネギを使用した東松山市名物やきとり!


イチゴの食べ比べとか、女性やお子さんにはたまりませんね。

地元酒造の、比企で今期最初に飲める「大晴雲」や社長の名が入った「社長の酒」も。

そして、塾講師が、比企の先輩起業家・自治体関係者・金融機関の方々に塾生を縁つなぎ

株式会社温泉道場 代表取締役 山崎様と

 

そして最後に、

各塾生ごとに異なるメッセージボードをサプライズで授与されました。これは嬉しいですね。

<最後に>
塾生の皆様はプレゼン慣れはしていなかったようで、緊張された中で頑張って説明されてることが伝わりました。そんな姿を見て「頑張れ!」と応援したくなる気持ちも。

しかしプレゼンの初々しさとは反して、プレゼン資料はしっかりと作り込まれおり、さらに、そこに織り込まれていた成果が具体的かつ目標に近くて凄い。そのギャップも印象深かったです。

プレゼン慣れしてて、聴衆を楽しませるけど、「あれ?中身薄くない?」ということも良くありますが、今回はその真逆。

皆が塾のリソースを存分活用して成長し、未来に繋げている。埼玉の片田舎にこんな素晴らしい塾があることを、住民として誇りに思います。

元マッキンゼー日本支社長でビジネス・ブレークスルー大学学長である大前研一さんが「自分を変革する」3つの方法として、
1)時間配分を変える
2)住む場所を変えること
3)付き合う人を変えること
とおっしゃってます。この起業塾に参加すれば、時間の使い方が変えられ、付き合う人を変える事が出来たのではないかと思います。今回の塾生は比企の方のみでしたが、比企外からの塾生がきたら、住む場所も比企にしたくなりそうですね。

そして関根さんから重大発表!

とのことなので、次の展開もとても楽しみです。

時期や内容は調整中かと思いますが、
気になる方はこちらまで一度お問い合わせを。

30−40代の子持ち世代が切磋琢磨できるこの塾のことを、多くの比企のパパママや全国の起業家の卵達に知って欲しいと願います。

改めまして、今回のレポートを執筆する機会いただき、埼玉県川越比企地域振興センター東松山事務所 及び ときがわカンパニー合同会社の皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

 

半農ライター 福島 だいすけ(puku@pukurima.xyz


PS:

控え室を覗くと。。

 

緊張の中でも談笑して励まし合う姿が、

仲間っていいですね!

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