ときがわカンパニー「ときがわ方式」拡販事業部の林です。
伐採業及び製材業を営む、松村至さんにインタビューを行いました。
松村さんは、協同組合彩の森とき川発足当初からのメンバーで、現在は組合理事も務めています。
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-伐採業の魅力は何でしょう。
松村さん:ない。というのは冗談だけど、昔に比べて厳しいところはあります。木材価格の低迷で、伐採業を辞めてしまった人がほとんどです。ときがわ町では、うちともう1軒くらいかな。
松村さん:伐採業に一番必要なことは、「見立て」。見立てというのは、例えば山に木が100本生えていたら、1本1本、手帳に年数や直径など、特徴を書いていくんです。どこにどの木が生えているのか。その木のふところは見えない中、どんな状態なのかを見立てます。
-ふところ?
松村さん:そう。パッと木を見て、中身が腐っていないかどうか。例えば、枝打ちの状態を見ていつ頃行ったのか。曲がった木や変木など、木の状態を1本づつ見立てていくんです。見立てした木は、製材所に貯蔵した状態でも、どこの山のどこに生えていたかがわかります。色目や脂の微妙な違いで分かるんです。
松村さん:並べて売りに出ている原木市場にある丸太を見ても、簡単すぎてつまらないんですよ。自分で山に入って立木を見立てる。これが伐採業の魅力の一つですね。実際、伐採は楽しいんです。急斜面に立ち、木を倒したい方向に倒す。木の気持ちになって、「ああ、こっちに倒れたいんだな」と。
松村さん:あと、正直に言えば、伐採業はしっかり生計が立てられます。林業は衰退産業と言われていますが、やり方次第だと思うんです。原木を伐って納めてそれだけ、というのではなく、お客様のリクエスト以上の丸太を納める。お客様が望むものを供給していけば、信用につながり、次のお客様を連れてきてくれます。それともう一つ。今、伐採業は辞めてしまった人が多いですが、木を望む人がいるのであれば、誰かが伐らなければいけません。伐採業の価値は、むしろ上がっていると思います。
-ときがわ町の木の良さは何でしょう。
松村さん:ときがわの山の環境は、スギ・ヒノキの生育に合うんです。霧がまくでしょう。これがいいんです。また、地味(ちみ)もちょうどいいんですよ。土地が肥えているでもなく、やせているでもなく、ちょうどいいんです。埼玉県の木というと西川材が真っ先に言われますが、ときがわ材は西川材にも引けを取りません。お客様に自信を持って売れる木だと思います。
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取材を終えて。
林業は衰退産業と言われている中、「伐採業はしっかり生計を立てられる」と言った松村さん。
「残存者利益」という捉え方もあるかもしれませんが、木促法制定による国の後押しや、世の中の環境意識の高まりを考えると、時代の流れを先取りする「フロントランナー」が林業家の皆さんなのかも、と思えるインタビューでした。
やり方次第という松村さんの目は、伐採家とはまた違った、経営者の目だったように思います。
微力ながらも、こういう目を持つ林業家の皆さんのお役に立てるように、われわれときがわカンパニーも頑張っていこうと思います。
松村さん、どうもありがとうございました!
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