藻谷浩介さんのセミナーに参加しました。

ときがわカンパニーの関根です。

2022年8月16日(火)藻谷浩介さんのセミナーを、アーカイブ動画で視聴しました。

私の理解の範囲で、印象に残った点を抜き書きしておきます。(PPT資料は、藻谷さん作成のもの*)

*事務局から「講演会資料は藻谷浩介氏の作成であることを明示して頂ければご自由に使っていただいて構いません。」とのこと。

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ファクトでつかむ日本と世界
~ 数字と地理を識れば、消える不安・見える未来

0.ファクトを確認する

・22年8月12日時点でのファクト

・比例区の得票
・自民党 +54万の内、ラブひな票 53万
・N国党 +27万の内、ガーシー票 20万
・参政党 +177万 反ワクチン票をネットで動員
・維新 +294万票 反既得権保守層の受け皿に

・ネット(ユーチューバー、マンガ家)が選挙に影響した

・日本の受験勉強は、権威筋の解釈への同調訓練
・現場と数字を自ら確認し、解釈する習慣のないエリートを量産。

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1.コロナ第7波

・そろそろピーク

・第7波は幻。重症化数が低い。0.03%。

・日本人は、「8割卑屈、2割傲慢」

・日本は、人口 世界11位
・日本は、コロナの死亡率 0.05% (米国、英国は、0.3%)

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2.ロシア問題

・ロシアを作ったのは、スウェーデンから来たヴァイキング
・国=国民国家ではない

・ロシアは、多民族を正教で統合した帝国で、血筋を重視しない。

・中国は、沿海州 ウラジオストックを取りたい。日本海への出口の回復。

・なぜ、ロシアは戦争をするのか?国境のひかれ方がおかしいから。
・中国の国境は、スターリンがひいた。

・中国による台湾進攻は、経済の繁栄を捨てない限り、ありえない。それよりも沿海州を警戒。

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3.円安で、日本の国際競争力は?

・1989~2021年 日本の輸出額(=日本の売上)は、倍増した。
・ハイテク工業製品が売れている

・輸入が増えた。貿易黒字が減った。
・10兆円が食料輸入。15兆円が化石燃料。

・9月に小麦価格が上がる。

・アベノミクスで、円安の道ができてしまった。
・経常収支は、黒字が倍増。2021年度。
・2022年度は、数兆円に落ちる。

・世界の主要工業国は、日本のお客様。日本の製品を買ってくれている。B2Bは強い。

・イタリア、スイスに対しては、日本がたくさん買ってて、経常収支赤字。
・イタリア、スイスは、経済より快適な暮らし、中央よりローカルを優先する国の成功例。人件費が高い国。

・資源、食料を輸入し、工業国に、B2B製品を輸出。

・国内の個人消費が少なかったのは、1989年(バブル最盛期)

・株価が上がっても、内需は増えず。
・民間は、金余りなのに、消費をしない。金の使い方を知らない者が貯めこんでいる。

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4.令和時代の地方活性化とは、何をどう改めることなのか。

・イタリアとスイスを目指す。

・東京は、時代遅れの巨大恐竜。約4000万人。

・世界で面白い事、新しい事は、小さな町で起きている。
・中国は、都市を意図的に大きくしない。

・福岡は、シンガポールを目指す。

・日本の最大の魅力は田舎。自然が豊かなのに生活は便利。天災に強く、コロナにも強かった。

・人口過密の大都市圏でのリスク
1)天災 2)少子化加速 3)高齢者急増 4)食&エネルギー自給率低下

・東京に若者が流れ込む限り、少子化は止まらない。
・出生率が高い地方から、東京に子供を入れたから、少子化が進んだ。

・高齢化率で見ない。高齢者数を見る。
・70歳以上は、過疎地では減り始めている。

・高齢者が増えると、生活保護費が増える。

・地方では、お金以外の資本も豊富なので、生活に困りにくい。

・資本に投資して循環再生させると利子がつく。

・人的資本:産む、教育する、お互いつながる、利子:次世代、継承発展、支えあい

・田舎だと、利子がつきやすい。
・密度が低い所の方が、利子がつきやすい。

・2010年から2020年で、売上増加率が一番高かったのは、林業。

・三次産業は、全体として成長がない。
・東京にピンハネされる。

・面白い人が、地方にきて、勝手にやる。

・地域でお互いに発注しあう。地元でお金が回る。

・昭和の身分制度を早く解体していく地域が、選ばれる地域になる。

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●質疑応答

・プーチンは、経済と戦う政治をしている。

・外国から武器援助が続く限り、終わらない。 例)ベトナム戦争

・経済的には、戦争をやるのは、得がない。

・借りても損がないのが、ゼロ金利。
・稲森和夫先生曰く、経常利益10%を目指すのは、金利5%への対応。金利5%になったときに、利益率の高い商売でないと(経常利益率10%を目指さないと)やっていけないから。

・団塊女性がお金を持っている。
・未開のマーケットとして、狙えるのでは。
・主張して良い場を作る。
・看護師さんが、シニア女子のニーズを把握。

・ゼロコロナの中国では無く、シンガポール、台湾、香港を相手にビジネス。

・小麦の消費額が、米を上回った。
・米、小麦、大豆は、輪作できる。
・小麦は輸入を前提。

・戦後のデノミのような決断はしないのでは。

・団塊Jrの人数が、世界で一番多い。

・化石燃料離れが、ロシア侵攻で、進んだ。

・福岡は、グランドビジョンを考える人がいなくなった。
・福岡市で、出生率があげられないと。

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○特に印象に残ったのは、「地域には投資して、利子が返ってくる余地がある」という点です。(都会に投資しても返ってこない)

比企起業大学・大学院は、まさに「人への投資」を行う取り組みであり、その投資によって、地域の中で「お金を出し合える(他者に発注できる)力」を持った個人(ミニ起業家)をつくる(=利子)を目指しています。

それが、地域を魅力的なものとし、若い人が帰ってこられる場づくりにつながると思っています。

藻谷さんのファクトを基にしたお話により、ますますその感を強くしました。藻谷さん、ありがとうございます!

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藻谷さんは、21年5月、トカイナカハウス神山さん企画の自然塾で、ときがわ町に来て下さったことがあります。その節はありがとうございました。

第4回ときがわ自然塾「藻谷浩介さん講演会」を開催しました。

藻谷さんと知り合えたのも、トカイナカハウス神山さん@番匠のお陰です。感謝!

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