居住性・WHR 2018年度合同講演会&ワークショップに参加してきました。

ときがわカンパニー「ときがわ方式」拡販事業部の林です。

日本木材学会居住性研究会と日本生理人類学会Wood/Human Relations研究部会共催の合同講演会&ワークショップに参加してきました。

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会場は東京大学弥生行動アネックス・セイホクギャラリー。

内装の木材とガラス越しの光のコントラストが映える会場です。

まずは東京大学大学院農学生命科学研究科教授の信田聡先生による、「Wood/Human Relations 研究」。

◆古くても好ましい木材とは?

・明度、彩度、色相それぞれ中庸な値を持つものが好まれる傾向。

○艶のない木は好まれない印象でしょうか。

◆木のベンチは好まれるか?

・木材、合成樹脂、金属、石材それぞれの材質のベンチの使用状況をモニタリング。木材が年間を通して最もよく利用された。

◆ウッドデッキの滑り

◆木材内装仕上げと快適性

・内装木質化された部屋に90秒間入った時の反応を「中枢神経活動」「自律神経活動」「主観評価」の3面から評価。内装木材率(床・壁・天井の面積に占める木材の割合)はそれぞれ30、45、90%。一番快適なのは45%。

○ときがわ方式の腰壁(120センチ)というのはやはり理にかなっているようです。確かに、90%は「うるさい」かも。

◆木の机は生徒の整理特性にどのような影響を与えるか?

・①新しいスギ製学習机、②新しい金属製(天板合板)学習机、③古い金属製(天板合板)学習机をそれぞれ5カ月間使用したときの中学生の免疫活動の変化を唾液中の免疫グロブリンs-IgA濃度変化として測定。→①のスギ製学習机を使用した中学生のs-IgA濃度が一番高かった。※s-IgAは粘膜への微生物の侵入を防御すると言われている。

◆木は有害な紫外線を吸収してくれる

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続いて、京都大学大学院能楽研究科の仲村匡司先生による「官能検査あれこれ」。

・官能検査とは、人の感覚を使って行う検査。分析型と嗜好型。

・質問紙調査時の声かけ。「考え込まずに第一印象で評価して」「整合性を考えずに評価して」。

○第一印象の大事さを重視するそう。

・調査票の装丁を作り込むこと。英語表記など。

○ハッタリが効くそうです(笑)

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続いて、広島大学大学院教育学研究科の木村彰孝せんせいによる、「質問紙調査あれこれ」。

・レクチャーの後、スマホを使ったワークショップが開始されました。上記の木材、プラスチック、アルミニウムを触り、スマホでパラメーターを選びました。当然ながら木の手触りが一番快適との結果だったのですが・・・

○リアルタイムでスクリーンにスマホ調査が映し出される。その上で、木よりもプラスチックの方が快適だと答えた人が少数ながらいらっしゃることに驚きでした。視覚効果もあり、また、ウッド・ヒューマン・リレーション研究会なのだからちょっとビックリしてしまいました。

・ヒノキのカンナクズ、ヒノキ精油、ラベンダー精油の香りを嗅ぎ、それぞれ快・不快をパラメーターに。

○こちらの実験は有意差は出ませんでした。香りは好みが別れそうですね。

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最後に質疑応答。

・木の良さをアピールする際、視覚・触覚・嗅覚、どこにスポットを当てるのが良いのか?

→マルチで考えることが重要。

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皆さま、どうもありがとうございました!

 

 

 

 

 

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