第11回ときがわ自然塾:寺脇研氏「地域を作る学校の魅力化」を開催しました。

ときがわカンパニー代表の関根です。

2022年1月8日(土)16時~18時、第11回「ときがわ自然塾」を、トカイナカハウス神山さんとの共催で、開催しました。

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○神山さんの案内文

第11回ときがわ自然塾は、寺脇研氏(元文部科学省官僚、京都芸術大学教授、映画評論家、映画プロデューサー)にご登場いただきます。1月8日、ときがわ町トカイナカベアツリーハウス。この日は2022年、新年会スペシャル。チェリスト大塚幸穂さんのミニコンサート付き!

テーマは「地域を作る学校の魅力化」

霞ヶ関時代はゆとり教育の推進者として教育改革に取り組み、いまはNPOカタリバのアドバイザーとしても活躍する寺脇さん。地域創生は学校の魅力化から、という持論を語っていただきます。

映画や落語にも造詣が深く、人間味あふれる寺脇さんとの語らいは貴重です。奮ってご参加ください。お待ちしています。

日時:2022年1月8日(土)
 ①16:00~18:00 セミナー
 ②18:00~20:00 ミニコンサート付き懇親会

会場:トカイナカベアツリーハウス(〒355-0354 比企郡ときがわ町番匠445-1
講師:寺脇研氏(元文部科学省官僚、京都芸術大学教授)
定員:20名
会費(税込):

  • セミナー:3,300円 オンライン 2,200円
  • 懇親会費:飲み放題 5,500円 ノンアルコール 4,400円
  • 宿泊(トカイナカベアツリーハウス):3,300円

寺脇 研氏の記事とプロフィール
地域創生は地域の高校から~高校は大学や専門学校への通過点ではない! 

チェリスト大塚幸穂(おおつか さちほ)オフィシャルサイト
https://www.timberringmusic.com/

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当日は、リアルに18名ほど、オンラインに2名の参加でした。

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寺脇先生の講演内容を、私の理解の範囲で、メモ書きしました。

●寺脇先生の講演

・なんでもかんでも東京に行けばよいというものではない。

・ミニシアターは、埼玉には無い。
・東京で無いと出来ない。

・明日は、岩手県大槌へ。
・県立高校が無くなったら、町が終わる。

・15歳にして、地域とのつながりが切れてしまう。市町村に1校は、公立高校が必要。

・教育の目的は「人格を形成する」こと。生まれ育ったところで、人格形成すべき。

・高校までは、鹿児島県。卒業後、東京の大学。
・10歳まで福岡市。その後、鹿児島へ。
・九州人というアイデンティティは強くもってる。

・中高時代に、自分は何者かと考えた。

・1972年、大学2年生の時、「成長の限界」というレポートを読んだ。
・1970年「水俣」という映画が作られた。

・島根県が、「過疎」という言葉を発明した。東京の「過密」の反対の言葉として。
・島根県は「過疎先進県」。視察が多い。島根県海士町への移住者も増えている。

・教育、文化に関する仕事がしたく、文部省に入った。
・1984年、31歳の時、福岡県の教育委員会に。小学校の校長室には、その学校の歴史が残されている。

・明治5年に学校ができた。2022年で、学制150年。
・江戸時代には、寺子屋をやっていた。

・1984年~、バブルに入る時だったので、日本の景気は良かった。
・福岡は景気が良かった。だが、筑豊は、巨大スラムになっていた。「陥没地帯」と呼ばれていた。子どもの貧困先進地域。まともな食事が給食のみ。

・50年前から、公害、温暖化、過疎、貧困の問題はあり、解決できていない。

・東京視点で見ると、それが分からない。

・今の新自由主義経済の考え方が始まった。
・株を買って儲ければ良いという考え方が入ってくる。バブルの時。
・民間企業にはお金があふれかえっていた。

・高速道路や新幹線を作ったら、皆が出て行ってしまった。
・「お金の力では無理だ」ということに、初期段階で気づいた。

・2003年 小泉首相が、観光立国と言い出した。国土交通省 観光庁に格上げ。・2010年に、1000万人は超せなかったが、大幅増。SAAS等の影響。コロナ前は、3000万人程。

・京都の観光公害。修学旅行で行くべきではない。離島や北海道に行けば良いのでは。
・コロナによって、修学旅行を県内にする動きが出てきた。島根で、そうなって、評判が良い。

・新自由主義は、競争させればよいという考え方。・「学校を自由に選べるようにする」ことも東京なら可能だが、地方では無理。
・高度経済成長期は、皆で良くなっていこう。

・地域への帰属意識が無くなる。

・1993年、広島へ。80から28市町村ぐらい。
・全市町村に高校はある。

・栃木県 自治医大 学費が安い分、へき地で医者になってほしい、という願いで、1970年ごろに作られた。
・ただ、地域に戻ってこない。
・金の力でやっても無理。

・医学教育課長になった。
・コロナのお陰で「医療従事者」という呼び名が広まった。医者、看護師等。
・チーム医療に変えていこう。

・田中角栄が、一つの県に、一つの医科大学を作った。
・1998年、地元枠を国立医大で作るようになった。
・日本全体で見れば、医者は余っていた。
・日本医師会が、競争相手を減らすために、医師の定員1割へらした。
・10年たったら、地方で医師が足りなくなったので、1割増やした。

・新自由主義だと、誰がどこで何をしようと止められない。

・「東京に行くやつが偉い」という価値観が、鹿児島にはある。「鹿児島に残っている奴はダメな奴だ」

・「普商工農」埼玉県の竹内教育長が、これはおかしいだろうと声はあげた。
・当時の鳩山文部大臣も同意。

・戦前、戦後を通して初めて鹿児島県庁職員生え抜き、かつ、非大学卒の知事として1996年~2004年に知事となった須賀龍郎が、焼酎、黒豚をブランド化した。

・新幹線を作ると、寂れる。例)新潟
・鹿児島に新幹線が通ったら、観光客が増えた。

・総論を見ると、地方は細っているが、各論を見ると、そうでもない。

・海士町 隠岐島前高校 今知名度が高い。「海士町の軌跡」視察詣でが切らない。
・「この高校を無くしたら、この町はアウトだ」と、当時の町長は考えた。
・都市部から、地方の高校への「高校留学」を提案した。「挑戦しませんか」と、起業家を募集した。

・2009年 観光甲子園 隠岐島前高校が優勝。
・今、高校は2クラスになった。

・2016年頃、世界と勝負するために、慶應SFCに入学した隠岐島前高校の子。畜産を継ぐ。

・女川の中学生たち 1000年後に残るモニュメントを作った。津波がどの高さまで来たのかを提示。
・「1000年後も女川は残っている。残すのは自分たち」

・今の子どもたちは、22世紀まで生きる。
・大正末期は、5000万人。
・人口が偏在。都市に偏っているのが問題。

・リニアモーターカーが走っているエリアに、人が住めば良いという考え方。
・コンパクトシティはいいが、国をコンパクトにはできない。
・人が住んでいることが、最大の国土防衛。

・オンラインで教育できることが、コロナで分かった。
・北海道は、高校の数が多い。21年4月、札幌から授業を配信。

・学校の統廃合をしてしまったが、戻して、集落に一つの学校を作っても良いかも。
・AIを使って、マンツーマン、カスタマイズした授業を提供できる。
・一人の先生が、対面で心のケアをしながら、AIが授業を担当する。

・小学校が無くなると、集落の元気がなくなる。

・明治、昭和、平成の大合併。
・「自分の町に中学校を作れなかった」ことを悔いて自殺した首長が3人いた。

・平成の大合併で、市町村の4割が、高校がなくなってしまった。

●質疑応答

・名栗の中学校が廃校に。22年3月で。戻せるか?

・戻すことはできる。自治体がやる気になればできる。月曜と金曜は地元で、火水木はバスで移動。複数校に、教員1人が在籍するのはOKになった。学習者中心主義で考えれば、教える人が来てくれればよいのでは。

・岡野さん@ときがわ町。カタリバの支援もしている。
・越生高校 総合的学習の授業に関わっている。大人の意識の変化が鍵だと感じている。どう周りを巻き込んでいくか。ときがわ町には、高校がなくなった。越生町は、2つの高校がある。

・埼玉は交通の便が良い。町をまたいで高校に行ける。県立高校だけど、自分の町の高校だという意識に。高校の無いところに、高校を作るのがベスト。県の理論では、統廃合だが、市町村が「これは自分たちの学校だ」と思えば。埼玉県教育委員会に働きかけても難しい。地元でもお金と人を出すようにする。

・竹内教育長が、偏差値、模試(北辰)を廃止したが、また逆戻りしている。

・地元の中学校との連携もできてない。
・意識ある教員が単発でやっていて続かない。

・下り坂でのやり方を考える必要がある。

・島根県 津和野高校 学習サポートをする東京の学生 HANKO 5人の若者が、毎年住んでくれる。

・映画「子どもたちをよろしく」の上映会をしていきたい。

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18時30分に終了後、

チェリスト大塚幸穂さん@小川町によるミニコンサートが開催されました。

古民家全体に、音が響き渡り、畳から自分の身体にも伝わってきます。

最初は目を開けて聴いていましたが、自然と目が閉じて、なんとなく耳とお腹で、音を楽しむような感じになりました。

最後の「ふるさと」は、なぜか目頭が熱くなってきます。

懇親会後、去っていく「さっちゃん」こと大塚さん。

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寺脇先生、大塚さん、ご参加くださった皆さん、そして企画して下さった神山さん、ありがとうございました!

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●参加された(一社)ときがわ社中 風間さんのツイッター

●参加された哲学者の遠山さんのフェイスブック記事

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1982309651929395&id=100004511378812

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