ときがわカンパニー代表の関根です。 2021年9月18日(土)16時~19時、第7回「ときがわ自然塾」を、トカイナカハウス神山さんとの共催で、開催しました。
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今回は、津屋崎ブランチ 山口覚さんの講演会です。
トカイナカハウス神山さんの挨拶からスタート!(私は、オンラインを担当)
差しさわり無いと思われる範囲で、どんなお話だったのかを共有します。
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●山口覚さんのセッション 「都市創生~地域を豊かにする評価・指標の探求」
●プロフィール
1993年 鹿島建設 2009年 津屋崎ブランチ開設 2011年 LOCAL&DESIGN(株)設立 2019年 一社まち家族 設立
●鹿島時代の仕事
・大規模イベント(例:オリンピック)が終わった後のことに、疑問に感じていた。 ・誘致した自治体が借金を背負う。 ・小さくても良いものを、大きくする。あえて建て替えさせる。
・会社というのは、社会をより良くするために作られたはずなのに。 ・会社を存続させるには、どうしたら良いのかという思考に変わってしまっているのでは。
・美しい南の島のような楽園でも「廃村になる可能性がある」というのはどういうことか。多くの人がそういう場所に住みたいと思っているはずなのに。
・「地方に帰りたい。でも、仕事が無い。」という言葉が出てくる。 ・頭の中にある価値観を変えないと、地方で楽しくやるのは難しいのでは。
●都会で暮らしていて感じた課題
・競争、所有、便利(依存) ・都会には無くて、地方にあるものに価値がある。都会では出来ないけど、地方では出来ることもあるのでは。 ・競争、所有、便利を手離すと、楽になるのでは。
・写真を見て感じたことを、参加者同士で意見交換。
●地方創生の立脚点
・競争、所有、依存から、協力、共有、自立の時代へ。
・「所得」のランキング、東京がトップ500万~、最下位が沖縄や鳥取などで 220万~。そうすると東京で仕事をしたくなる。 →「そこそこ幸せになるためにかかるコスト」と考えると、東京は500万、沖縄は220万~かかると言うことも出来る。そうするとどっちに住みたくなるか? (資料出所:内閣府「県民経済計算」 総務省統計局「家計調査」 )
・各々が「こうであればよいな」と個人的に思うことを、素直に町の中でやっている環境をつくると皆が自己実現できてまちが豊かになる。 ・都会では個人的には当たり前だと思うことが会社の鎧を着ると当たり前にできずに苦しむことが多い。
・取り組みの指標: 1)100年前 2)100年後 3)他所の国の人 に「こういうことをやろうと思っている」と伝えて、「いいね!」と言われそうなら、やる。つまり平凡なことをやる。よく言えば普遍的なこと。
・田舎では、協力し合いながら、足りない分を補う。だから競争より協力する力が重要。
●便利になるって、どういうこと?
・発明起業塾 藤村靖之先生が師匠の一人 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E6%9D%91%E9%9D%96%E4%B9%8B
・「ジューサー」で手に入れたもの、早い、簡単、便利。 ・「手絞り機」は、遅い、面倒、不便、疑問、会話、創意工夫、ワクワク、笑顔、充実感、感動、美味しい という感覚があった。 ・便利になると、それらが失われる。 ・生きる意味が、不便さの中にあるのでは。
●指標
・地方創生においては、都会とは違う評価軸が必要。
・競争、所有、依存に価値を置く→量、ランキング
・協力、共有、自立に価値を置く→質、関係性
・例:「協力力」テストの問題を3人で解く。
・「住みよさランキング」を、行政は気にする。 ・他者評価に踊らされている。 ・1700の自治体すべてが持っている統計データでしか評価ができない。 ・ランキングをつけることで、コンサル会社の仕事になる。
・暮らしていて「幸せだ」と感じるのは、例えば夕日が美しいこと、その日取った魚が食べれること、野菜を作った人の顔が見えることなど。しかしそれらは統計データに一切出てこない。
・車選びに置き換えたら、ランキングをつけることの無意味さも分かるのでは。ライフスタイルに合わせて好きな車をそれぞれに買う。ある人はスポーツカー、ある人は軽トラ。それらをどっちが良いかと比較するのはナンセンス。
・都会の目線で、地方を評価するのではなく、地方の目線で、都会を評価すると多くの問題点が見えてくる。しかしそんな都会にとって都合の悪い話は都会からは生まれない。
・関係性の指標化:「知り合い人口」=ちょっと困っているから助けて、と言える人の数 ・一人10人だったのが、30人になったら、3倍増。 ・人口が減っても知り合い人口が増えれば自分の身の回りの人口が増えている感覚。
・津屋崎では、とにかく集まって話をする場を作っている。 ・知り合い人口は、都会のほうが少ないのでは。
●参加者からの感想
・「暇と退屈の倫理学」を読んだ。年を取ると、暇になるのが最大の苦痛。 ・地方のほうが暇ではない。役割がある。
・都会だと「面白い」というのは、与えられたサービスをジャッジメントしている。消費者マインド。 ・田舎だと、サービスが降って来ない。どうやって「面白がるか」のセンスがつく。創造的マインド。
・地方には排他性があるのでは? ・ジャッジメントするセンスで来られると嫌われる。面白がるセンスが大事。
・「東京の話」を期待して、参加した。 ・東京を選ぶ人は、どういう観点? 若い人、勉強したい、何かがある? ・東京生まれの人から見た時に。 ・本当に好きで東京に住んでいる人は少ないのでは? ・東京生まれ、東京育ちの自分としては、地方に暮らす選択肢は無かった。 ・東京に住むことに、疑いは無かった。 ・満員電車は苦痛だけど、仕方ないじゃんと割り切っていた。普通じゃないと。
・津屋崎は、電車が廃線になった。過疎化している。 ・たくらみがあるから、今の津屋崎がある。 ・通りすがりの人には分からない。入り込まないと分からない。
・山口さんの考えに共感して、地方でやっている人はいるのか? ・20代でいる。20代の人は、昭和の人とセンスが違う。爽やかに、地方でやっている。
・ときがわ町に初めて来て、子供達が「こんにちは」と挨拶してくれた。あまり無い経験。そういう町なんだと思った。
・都会では「危ない」のがデフォルトになっている。 ・「脱洗脳」が必要では。「知らない人に、声をかけたられたら警戒する」 ハリネズミのジレンマ状態。 ・そのマインドのまま、地方に行っても難しい。 ・相手からみると「なんかすごい構えている人」となって、打ち解けられない。 ・年をとって、頑固になった自分を自覚しないと、魔法は解けない。
・ときがわ町は、そんなに排他性を感じない。 ・町長は、2代つづけて、事業家。
・東京在住。土手沿いを走る。観察していると面白い。 ・都市と自然は二律背反ではない。 ・早朝の多摩川は、とても気持ちいい。四季の変化を感じられる。 ・現役(ディレクター)時代は、工場のよう。リソースを使う、部品化。 ・最初は、何をしていいか分からない。引きこもっていた。 ・今は、やりたいことをやろう!と動いている。サッカーチームを作ったり、料理の鉄人あそびをしたり。
・哲学者として、何でも面白がれる。 ・110円のブラックコーヒーを選び、120円のカプチーノを選ばなかったのは、なぜか。 ・明日の自分はどう変わるのか楽しみ。
・相続の問題がある。田舎の土地やしがらみを引き受ける。入れ替わってもいいが、どこに価値を見出すか。 ・都内は給料が高いが、家賃が高いから、可処分所得が少ない。
・都心の利便性だけを考える価値観から変わる必要がある。 ・自分で選んでいるつもりでも、他者評価に踊らされていることがある。 ・「内なる他者に縛られている自分がいるのでは?」 ・子どものときに、親に与えられた挫折や抑圧経験。
・「ふるさと」の3番 「こころざしをはたして、いつの日にか帰らん」 それが、日本人に刷り込まれているのでは。
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ご参加くださった皆さん、神山さん、そして、山口さん、ありがとうございました。
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