ミニ起業家の育成

ときがわカンパニー代表の関根です。

ioffice(ときがわ町起業支援施設)は、ミニ起業家が「集い、育ち、稼ぐ」場を目指します。

ときがわ町に「人が集まり、仕事が生まれる」という状態を作るためにも、仕事を自ら作り出せる起業家を育てたいからです。

では、どうしたら、起業家が育つのでしょうか?

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私自身は、2005年に、研修業界で、独立起業しました。

研修という仕事は、在庫も、設備投資も必要なく、身体一つでできる仕事なので、参入障壁が低く、多くの方が、この業界で起業しています。(業界規模は小さく、約5000億円の市場です。)

ところが、起業しても続かない人や、結局どこかの研修会社の雇われ講師となって、サラリーマン時代と同じような働き方をしている人もいます。

・・・起業して、上手くいく人と、そうでない人の違いは、何なのか?
・・・どうしたら、誰かに「雇われる」という働き方から脱却できるのか?

多くの方々を見ながら考えてきました。

その中で、少しずつ見えてきたことがあります。

他人の起業を手助けしようという「起業支援者」には、3つの役割が求められるということです。

それは「発注者」「指導者」「実践者」という役割です。

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1.発注者

 

起業して間もない人にとって、一番困ることは何か?

もちろん、お金は必要でしょう。

でも、それよりも、もっと必要なのは「仕事」です。

「仕事ってことは、結局、お金でしょ」と思う人もいるかもしれませんが、違います。

本当に必要なのは、「仕事を通じて得られる自信」です。

「自分が提供する商品、サービスに、本当にお金を払ってくれる人がいるのか?」

そここそが、起業したての人が、一番不安に感じる点なのです。

・そもそも自分の仕事にお金を払ってもらったことが無いので、実績がない。
・実績がないので、自信をもって、自分の商品、サービスを売り込めない。
・売り込めないから、自分の商品、サービスにお金を払ってもらえない・・・。

という「実績がないから、実績が作れない」という負のスパイラルから抜け出せないのです。

だからこそ、起業したての人にとって必要なのは、お金そのものではなくて、自分の商品、サービスに価値を見出し、対価を払ってくれるという「仕事の発注」なのです。

であるならば、起業支援者がすべきことは、彼らに仕事を発注する、つまり「発注者」としての役割なのです。

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起業支援施策の多くは、ここが弱いです。

多くの場合、
・専門家が、起業に関する知識を提供
・起業家が、事業計画を作成
・金融機関が、事業計画を評価し、融資を検討
みたいな感じでしょうか。

仮に、起業したての人に、お金を与えても、ほとんどは生活費で消えていきます。

起業して間もない人は、まだ「お金の使い方」を知らないからです。「消費」はできても、「投資」はできないのです。

そういう段階の人に必要なのは、お金そのものではなく、お金を生み出す「仕事」なのです。

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例えば、弊社ときがわカンパニーでは、地元の若手起業家「ときコマース代表の優太」に、いくつかの仕事を発注しています。

・ときがわ町の良さを発信する「ときがわウォッチング

・ときがわ材の良さを発信するパンフレットの写真撮影動画制作

ただ、弊社だけが、彼の発注先になると、依存心が生まれます。そうすると、誰かに雇われているのと同じ状態になります。

そこで、弊社以外からも、仕事の発注を受けられるよう、彼には「顧客の探し方」や「価格提示の仕方」などの「やり方」を教えています。

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2.指導者

 

このように、起業したての人には、起業家としての「考え方」や「やり方」を教える必要があります。

そうでないと、「雇われ人」に戻ってしまう可能性があるからです。

そこで、必要になるのが、起業支援者の2つ目の役割「指導者」です。

起業家にとっておさえておくべき「考え方」や「やり方」が存在します。

(例えば、ドラッカーの「事業の目的は、顧客の創造と維持」や「ランチェスター戦略」など。ioffice内「i棚本屋(ひとたなほんや)」で、ミニ起業家必読の3冊を紹介しています。)

 

起業して、お金を稼ぎ続けるために、必要なのは、何か?

それは、仕事を発注してくれる「顧客」です。

 

 

しかし、多くの起業セミナーでは、「顧客」の見つけ方を教えてくれません。

一般的なマーケティングやセールスのやり方は示してくれても、実際に、自分がどのように顧客を見つければよいのかまで示されることは、殆どありません。

そのぐらい「顧客の見つけ方」を教えるのは難しいということです。

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3.実践者

 

「指導者」として、えらそうに、起業家としての「考え方」と「やり方」を教えるなら、起業支援者自身に、それを実践する力がなくては、説得力がありません。

「発注者」として、起業したての人たちに、仕事を出し続けるには、それだけのお金と、他から仕事を取ってくるだけの力が必要です。

つまり、起業支援者には「実践者」としての役割が求められるのです。

自らの背中で、起業家としての考え方とやり方を実践する。
言行一致の強さが、起業支援者には求められます。

「あの人、えらそうに言ってるけど、自分ではやってないから・・・」と言われないよう、私たち起業支援者は、肝に銘じる必要があります。

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以上、起業支援者には、「発注者」「指導者」「実践者」の役割が求められると、私自身は思っていますし、自分自身がそうありたいと願っています。

ただ、これは、正直かなりの手間暇が、かかります。
更に、他人の人生を左右するかもしれないのですから、それだけの覚悟が要ります。

ですので「それだけの労力をかけてでも育てたい」と思える人でない限り、iofficeでの起業支援は行いません。

「誰でもかれでも、手助けはできないし、するつもりはない」ということです。

自ら仕事を作り出す分、仕事や相手を選べるのが、起業家の醍醐味だからです。

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色々と厳しいことを書いたかもしれませんが、これが起業支援の現実だと思っています。起業する側にも、正直、向き不向きがありますし、支援する側にも覚悟がいります。

今回、多くの方々のご支援、期待を受けての「ioffice(ときがわ町起業支援施設)」だからこそ、こちらも全力で、ときがわ町にミニ起業家を生み出していけるよう尽力していきます。(「iofficeでやること」)

皆様のお力添えを賜れましたら幸いです。なにとぞよろしくお願いします。

 

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関根 雅泰

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