第1回:親しみ溢れるお試し住宅「やまんなか」の管理人「おのうえさん」の20代編

-「山のオバちゃん!!」と呼びたくなる尾上美保子さんの謎解きインタビュー!-

第1回:親しみ溢れるお試し住宅「やまんなか」の管理人「おのうえさん」の20代編

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人生を振り返って一番大切だと感じていることは、「人との出会い」と笑顔で回答してくれたのは、「尾上美保子(おのうえ みほこ)」さん。

ビックリするほど明るくて、ドンと頼りがいがあり、ついつい親しみを込めて「山のオバチャン!!」と呼んでしまいそうになる女性です。

尾上さんは、株式会社 R’e lease(不動産業)やみのり接骨院を営む傍ら、埼玉県比企郡ときがわ町の「やまんなか」というお試し住宅の管理も任されている女性企業家です。

筆者である私が知り合ったのも、「やまんなか」がキッカケでした。

魅力的なときがわ町や心安らぐ木造作りのお試し住宅もさることながら、尾上さんの頼りがいのある魅力的なキャラクターは、ときがわ町に移住を考えている私たち県外人にとって心強い存在だと感じています。

県外人の私だからこそ、しがらみなし・お世辞抜きの本音でコラムを執筆、尾上さんの魅力の謎をひも解いていくという企画です。

尾上さんの魅力を築いた20代・30代・そして現在進行中の40代の出来事にスポットを当てながら、アウトロー的なセクハラ話から出産・子育てで焦りを感じた話、ホロリとする話まで、3回に分けてレポートします。

さて、第1回目となる今回は、尾上さんの20代についてお話いただきました。

-尾上さんって明るいですよね?話しやすいし。昔からそんな明るい感じなんですか?どんな人生を送ってこられたのか興味があります!早速なんですが、まずは尾上さんがどんな20代を過ごされたのか質問してもいいですか?

尾上さん:「いいですよ~」

-え?即答?本当にいいんですか?いろいろ聞いちゃいますよ~!

尾上さん:「いろいろ…(笑) 20代は…私、高校を卒業して司法書士の事務所に就職して、不動産の資格を取ったんですね。それで、司法書士の先生の紹介で勤めた場所が〇〇〇の〇〇〇で…」

-えええっ?そ、それ、言っちゃって大丈夫ですか?

尾上さん:「ダメだと思います(笑)。そこはピーで(笑)」

-(笑)!!!!! 最初の就職先は、とんでもないところだったんですね(笑)

尾上さん:「そうなんです(笑) あ、でもそのあとは、普通の不動産会社に勤めました」

-(笑)普通の(笑) 

尾上さん:「その普通の不動産会社で、たくさん不動産のことを勉強させていただきました。そしてそのあと、別の不動産の会社に勤めたんですが、そこでの出来事はとても濃かったですね」

…別の不動産の会社に転職したわけですね?

尾上さん:「不動産の会社というか、簡単に言うと、不動産屋さんを専門に営業をかける広告会社で、不動産屋さんを1日何十件も回る感じでしたね。ノルマもあって」

-へぇ… 一日に何十件も…大変でしたね。不動産屋さんを回って営業するって想像つかないんですが、例えば、どんな感じですか?

尾上さん:「例えば、不動産屋さんの前に“○○売出し中”とかの旗(のぼり)があるでしょ?あぁいった旗を買ってくれるように営業したりとか」

-あぁ、なるほど!そういった不動産屋さんのツールを売るのがお仕事だったんですね。そういうのって、大変ですよね?なかなかすぐには買ってもらえないんじゃないですか?

尾上さん:「ええ、大変でした(笑) カタログを持って営業に行っても、“まだ使えるから”なんて、カタログも見ずに断られちゃうんですよね。だから、自分で工夫しましたね」

-どんな工夫か聞いてもいいですか?

尾上さん:「例えば、“現物を10枚ずつ用意してください。売り切るので!”という感じです」

-えっ…、それって、売り切ることができなかったら、ヤバイですよね?

尾上さん:「もう注文しているので、売り切れないということはありえないです。何が何でも売らないと。でも、現物を持って行くと見てもらえるから売れるんですよね」

-それは過酷ですね…

尾上さん:「でも、私が、そういうことを自分でやりたいと思ったし、私のやりたいというワガママを所長が受け入れてくれたんですよね。だからできたというか、私が輝ける場所を、所長をはじめ、周りのみんなが作ってくれたんですよね」

-へぇ、いいですね!でも、苦労もあったのでは?

尾上さん:「苦労というか…お客さんに、“えっちな画像を見せられる”なんてこともありましたね(笑)!」

-ひぃいいいいい!お客さんに?突然ですか!!!! す、すごいですね…!

尾上さん:「今ならセクハラで訴えられるでしょ(笑)?」

-ですよね… というか、司法書士の先生の紹介で就職した○○○の〇〇〇と言い、すごい経験されてますね~!

尾上さん:「女性だからということでからかわれるなんていうのは、よくありました」

-それは、お客さんからからかわれてたってことですか?

尾上さん:「そうです。会社はアットホームな会社で、とても良かったんです。当時、周りのスタッフは男の人ばかりで、女の人1人、私だけ、男社会だったんですけど、とても雰囲気が良くて」

-そうなんですね。でも、周りが男の人ばかりだと大変なこともあったのでは?

尾上さん:「大変なこととというか…体力的には、鍛えられました!あの頃は、朝6時に家を出て、毎晩飲んで終電で帰るような感じでしたし」

-え?毎日朝6時に家を出て、毎晩飲んで終電…?聞けば聞くほど過酷なんですが…

尾上さん:「いや、でも、過酷というか…その時のことが、いま活きてますね。いろんな意味で本当に鍛えてもらったし、それに、私のアイデアを所長が受け入れて自由にやらせてくれたことで、動きやすくしてくれたな、と。周りのスタッフもそうです。そんな私を見守ってくれて…、守られてるな、って思いました」

-なるほど。そのときの経験が今に活かされているわけですね。

尾上さん:「はい。一人じゃ動けないということも、ここで学びました。それに、自分がどういう立ち位置にいれば輝けるのか、ということも学びましたね。それが、いま大切にしている“人との出会い”や“出会いって人を変える”という考え方につながっていると思います」

尾上さんは、そう言うとカラカラといつもの笑顔で笑ってくれました。

お客さんからのセクハラ経験や過酷なノルマに直面しながらも、「そういった過去が今に活きている」と笑って言える尾上さん、本当に素晴らしいです。

尾上さんの経験や考え方は、「ときがわ町へ移住して起業をしたい」と考えている方へのアドバイスにもなるのではないでしょうか?

・過酷な状況に追い込まれたら、アイデアを出して乗り切ってみる
・自分が輝ける立ち位置を知る
・周囲の人たちに相談し、力を借りる

起業するにはこのように、周囲の人たちの力を借りることも大切ですし、ひとつの物事を別の角度から見て工夫しチャレンジしていくことも大切です。

考え方のひとつとして、私もぜひ、取り入れたいと思っています。

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【ライター・プロフィール】

旅行記事や美容関連をはじめ、住まいや不動産、金融などジャンルは幅広い。
各地を飛びまわり、インタビューや取材などをすることに生甲斐を感じつつ、
役立つ内容や楽しんでもらえるような記事の執筆を心がけている。
楽しいことや現実逃避が大好きな遊び人ライター、山内良子。

(写真撮影は、melancholy )

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